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バセドウ病の症状と治療方法

■バセドウ病の病態・原因
バセドウ病は、免疫の異常によって起こる自己免疫疾患です。私たちの体には、外敵から身を守る免疫機能が備わっていて、細菌やウイルスなどが侵入したとき、抗体をつくって排除しようとします。


自己免疫疾患では、何らかの理由でこの免疫システムに異常が起こり、自分の体の成分も敵とみなし、自分自身を攻撃する抗体をつくり出してしまうのです。
バセドウ病の場合、敵とみなされるのは甲状腺にあるTSH受容体といわれる部分です。ここは、脳の下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)を受け取る受容体ですが、これが敵とみなされると、TSH受容体に対する抗体がつくられ、TSH受容体を刺激します。すると、甲状腺ホルモンがつくられ続け、過剰に分泌されることになります。
このようにバセドウ病は、免疫の異常によって起こることはわかっていますが、どうして免疫異常になるのか、根本原因は明らかになっていません。
1000人中2~6人いると言われており、女性患者が男性患者より5倍と多いのも特徴としてあげられます。この自己抗体産生が引き起こされる原因は、2007年現在不詳でありますが過度なストレス・過労また遺伝の影響もある程度あると考えられている。
■バセドウ病の症状
・あらゆる臓器が常に全力疾走しているのと同じ状態になり、大量のエネルギーを必要とするため食欲が異常に増すが、代謝が高いため体重減少を来たす(代謝以上に食欲が亢進し、太る場合もある)。
・新陳代謝の活発化から発汗過多を来たす(夏の暑さに耐えられない/冬でも暑い)。
・内分泌のバランスが崩れて精神的に不安定になる、イライラする、集中力が低下する。
・振戦、手の震え。
・甲状腺クリーゼ:突然重篤な甲状腺機能亢進状態となる合併症。高熱、頻脈、嘔吐、下痢、意識障害などを来す。生命に関わることもあるため注意を要する。
・甲状腺ホルモンの亢進により消化管が活発化する。
・顔つきや目つきがきつくなったり、眼が出てくる眼球突出はバセドウ病の代表的な症状ですが、眼球突出をきたす割合は3割程度です。特に喫煙している方に多く禁煙することが重要です。
■眼球突出する眼の変化
上眼瞼後退 まぶたの筋肉が緊張し、まぶたが吊り上ってしまうため目が見開いたようになり、眼球が突出しているように見えます。
眼球突出 眼球の奥の脂肪組織が増えたり、眼球を動かすまわりの筋肉(外眼筋)が肥大したりして、奥から押し出される為に眼球突出が見られます。
◆眼球突出による症状
結膜充血: 眼瞼後退や眼球突出のため、まぶたが閉じ切れないので角膜に傷がつきやすく、結膜が充血しやすくなります。
眼 痛: 同様に睡眠中もまぶたが閉じ切れないため目が乾燥し角膜に傷がつきやすく目の痛みが出現します。
複 視: 眼球を動かす筋肉(外眼筋)が肥大するため、両眼とも目の動きのバランスがうまくとれないので、物が二重に見えます。
■バセドウ病の治療
1・抗甲状腺剤の内科療法
病気の軽い人、甲状腺腫が小さい人などですが1年~数年間の服用が必要です。妊娠中でも治療可能。ただし、治療期間が長く、副作用を発する可能性もあります。
2・放射線治療(アイソトープ)
ほとんどの患者では抗甲状腺剤では治りにくいので、今日では多くの患者は放射性ヨード治療を受けます。
この治療法に使用される放射性ヨードは小さなカプセルの形としてや、水に混ぜて飲みます。数時間で、放射性ヨードは胃から血液中へと入り、甲状腺細胞を破壊するのに十分な時間、甲状腺のなかにとどまります。それから数日で、尿中に排出されますが、放射能の半減期により非放射性の状態へと変化し、体の中から出ていきます。
多くの患者は3~6ヶ月後には良くなりますが、アイソトープの投与量が少ないと甲状腺機能亢進症は治りません。甲状腺機能亢進症が治らない患者は2回から3回の放射性ヨード治療を受けることもあります。患者の大半は、放射線治療後甲状腺機能低下症に陥ります。甲状腺機能低下症に対しては、甲状腺ホルモン剤をのむことで容易に治療することができます。
放射性ヨードは、1940年以来甲状腺機能亢進症の患者を治療するのに使われています。
放射性ヨードが身体の中で他の細胞に損傷を与え、腫瘍ができたり、長期間の望ましくない効果がでるのないかとの心配のために最初、放射線治療を行った内科医は注意深く成人のみ治療し、彼らのその後の人生を注意深くフォローしました。運良く約50年間、患者をフォローしても放射線治療から危険な合併症はでてきていません。
結果として、アメリカでは成人の甲状腺機能亢進症も70%以上がこの方法で治療されています。さらに今では子供も放射線治療を受けることが多くなってきています。これらの患者でさえもほとんどが、合併症を起こしません。
3・バセドウ病の手術
甲状腺の一部を残して、切除する方法です。甲状腺を切除することで甲状腺ホルモンの量を調整します。他の治療法より早く完治し、再発も少ないが、入院を要します。また、傷跡が目立つことがあります。
手術による合併症も起こりうるので、高齢者や心臓の病気がある人などには行いません。術後に甲状腺機能低下症に陥ることが多いが、その場合の治療は通常の甲状腺機能低下症と同じです。なお、再発した場合は再手術は行わず、ヨード治療などに切り替えます。

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